「一年の計はことひらにあり」金刀比羅ツアーその4

前回紹介した公会堂の先に、芝居小屋があります。それが、旧金毘羅大芝居(金丸座)です。
一応役者の端くれですから、古い芝居小屋というのも興味あります。なにより歌舞伎の舞台なんて見に行くことがないうえに、裏側までのぞくことができるとあってものすごく楽しみでした。
■旧金毘羅大芝居(金丸座)■
旧金毘羅大芝居は、天保6年(1835)に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋です。江戸時代中頃から金毘羅信仰が全国的に高まり、年3回(3・6・10月)の「市立ち」の度に仮設小屋で歌舞伎などの興行を行っていました。
  しかし、だんだんに門前町の形態が整ってくるにつれて常小屋の必要性と、また一方その設置を望む多数の庶民の声を反映し、高松半寺社方より許可を契機に、当時、大阪三座の一つ大西芝居(後の浪花座)を模し、富籤(現在の宝くじのようなもの)の開札場を兼ねた定小屋として建てられました。
 小屋の名称は所有者が変るたびに変更し、明治33年に「金丸座」と改名した後は現在でもこの愛称で親しまれています。
 昭和45年に「旧金毘羅大芝居」として国の重要文化財に指定され、昭和47年から4年間の歳月をかけて現在の場所に移築復元ししました。(元の場所は、現在琴平町歴史民俗資料館が建っているところです)
 昭和60年から「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催され、四国路に春を告げる風物詩となっています。
 平成15年度に復原及び耐震構造工事(平成の大改修)が行われ、併せて調査中に発見された痕跡を検証し、これらの判明した「ブドウ棚」と「かけすじ」 を復原し、より江戸時代の情緒あふれる姿に再現することができました。(琴平町役場サイトより)
01全景  02入り口
左:金丸座全景。公演がない時は、中を見学することができます。
右:入り口です。入り口は複数に分かれていて、正面に向かって中央、この写真の入り口をを一般庶民が使用し、左側の入り口は大名などが使用ました。現在は中央の入り口が使用されています。
入り口横にあるのは札場という、入場の際の木札を渡すところ。現在の入場料(非公演時)を取る場所は敷地内に別に建てられています。
03下足場  04舞台
左:下足を預かる下足場。
右:回り舞台にセリがある歌舞伎の舞台。結構広く感じます。
05かけすじ  06花道
左:平成の大改修で復元されたかけすじ。役者を宙吊りするの為の装置で、花道の上に設置されています。この芝居小屋で唯一、電動で動かす仕掛けです。
右:舞台から花道を見ます。花道横の四角い場所は、空井戸とよばれ、者がせり出してくる場所で、井戸などに使用されます。
花道のスタート点にある暖簾がかかっているところは鳥屋とよばれる花花道を通り入場する際の出番待ちの場所です。
一階の中央の桝席は畳敷きの席を木でマス目を作り一マスに5名入れるようになっています。座布団が山積みの時のところが青田組とよばれる観覧席。
07西桟敷  08ブドウ棚と顔見世提灯
左:桟敷とよばれる、平場の両脇にある一階と二階の観覧席。 西桟敷の中央は、見得を正面から見れ、皇族が観覧する際に使用しました。上部には額が飾っている2階席がそれになります。
2階席の上にあるのが、明かり窓。軒先を人が走って人力で開閉することによって、場内の明るさを調整します
右:各出演者の屋号の家紋が入った提灯で顔見世提灯といいます。
竹で編んだ格子状の天井でブドウ棚といいます。平成の大改修で復元されました。演出として花吹雪などを舞台と共に観客側にも降らせる事ができます。
09御囃子部屋  10舞台裏
左:下手にある御囃子部屋。鳴物連中が演奏を行う場所で、観客側との仕切りは暗幕となっていたが、平成の大改修の際に浄瑠璃部分とともに壁で仕切られました。
右:舞台裏。回り舞台が見えます。この場の裏に楽屋があります・
11楽屋  12奈落
左:楽屋は2階建てで、これは大部屋です。天井が低く、現代人だとズラをぶつけてしまいそうですな感じですね。
右:奈落です。奈落とは舞台や花道の床下の総称です。廻り舞台の廻しやスッポン、セリのあげる仕掛けがあります。 また花道の斜め下に位置する道があり、役者はそこを使用して鳥屋に向かいます。
13廻り舞台下  14二階席
左:廻り舞台の下です。こんな大きな装置を人力で回すとはすごいですねぇ。
右:前舟・中舟・後舟とよばれる、二階席の中央部、青田組の二階部分の観客席。 後舟の壁部分には櫓への梯子があります。
ボランティアをおっちゃんが、親切丁寧に説明してくれました。そのたんびに、ほぉーーーーと感嘆の声を上げていました。それほど、この小屋の雰囲気や設備に感心しっぱなしでしたね。
ここは、ある意味、こんぴらさん以上に見てよかったと思いました。実際に歌舞伎をしているところを見てみたいですが、これはちょっと無理かもしれませんねぇ。なんせ、大人気でツアーも組まれているくらいですからね。
2日目の観光はここで終了。琴電乗って高松に戻り、昼に続いて夜もうどん食べました。ついでに言うと朝もうどんでした(^.^)
明日はツアー最終日。電車に乗るまで、ある公園に行く予定。そこの紹介はまた次回。1月中にこの旅行記終わらせることができるだろうか?(^^ゞ