第七番札所 東光山 岡寺(龍蓋寺)

■■第七番 東光山 岡寺(龍蓋寺)■■
         (とうこうざん おかでら(りゅうがいじ)
朱印   山号:東光山
   宗派:真言宗豊山派
   本尊:如意輪観世音菩薩
   開祖:義淵僧正
   創建:天智天皇2年(663年)
   御詠歌:けさ見れば つゆ岡寺の 庭の苔 
                     さながら瑠璃の 光なりけり
    所在地:奈良県高市郡明日香村岡806
    拝観料:300円
    拝観日:2008年9月22日
(概要)
岡寺(おかでら)は、奈良県高市郡明日香村にある真言宗豊山派の寺院。山号は東光山、寺号は龍蓋寺(りゅうがいじ)とも称する(寺号については後述)。本尊は如意輪観音。西国三十三箇所第7番札所。
飛鳥時代の名僧、義淵(ぎえん)が、早世した天武天皇の皇子、草壁皇子の宮を賜って寺としたのが始まりという。義淵は子供のない夫婦が観音さまに願掛けに通っているときに垣根の上に置かれていた赤ん坊で、話を聞いた天智天皇が義淵を引き取り、幼かった草壁皇子と一緒に岡宮で育てたといわれている。
本堂前の池に暴れる竜を封じ込め、梵字の「阿」を掘り込んだ大石で蓋をしたという伝説から龍蓋寺(りゅうがいじ)の寺名があるが、地名からついた呼名「岡寺」の方が有名。
飛鳥の里を見下ろす高台にあり、仁王門(重文)、本堂、大師堂、昭和61年に再建された三重塔などが点在する。(web上の説明より)


実は、5、6年前に訪れたことのある岡寺。その時は、西国三十三箇所巡礼を知りませんでした。ただ古くて雰囲気のいい古刹だなぁと。紅葉の時期に来たので、また格別のものがありましたね。今回、明日香巡りの一環として改めて参拝することにしました。
参道  入り口
左:自転車で坂を上るのはきついし、ちょうど自転車置き場もあったので、そこに置いてから歩いてお寺へ向かいます。
右:10分ほど歩くと、寺の入り口へ到着。いい運動になります(^^ゞ
仁王門  境内へ上がる階段
左:慶長17年(1612)建立で重要文化財である仁王門。昭和42年(1967年)から同43年(1968年)にかけて大規模な解体修理を行っています。四隅上にはそれぞれ阿獅子・吽獅子・龍・虎があり大変珍しい形だそうです。
右:仁王門をくぐって、お寺に入ります。本堂は石段をの上がった広場にあります。
大師堂  三重塔
左:本堂のある広場へ行かず、右手にさらに上がると大師堂があります。昭和の始めの建立だとか。
右:大師堂からさらに奥へ上がると三重宝塔があります。三重宝塔は旧境内地(現治田神社境内)に建っていいましたが、文明4年(1472)7月21日の大風により倒壊して以来、実に514年ぶりに昭和61年(1986年)、弘法大師記念事業として514年ぶりに再興されました。
さらに、塔再建より15年を経て内部の荘厳を整え、平成13年(2001年)11月に再興し、毎年、開山忌に公開をしています。
三重塔付近からの風景  鐘楼
左:三重宝塔付近から見た風景。明日香村が一望できます。
右:鐘楼。正確な建立年代は不明だそうですが、梵鐘には文化5年(1808)と刻まれていますので、建築様式などから本堂と同時期に再建されたものと思われます。
本堂01  本堂02
左:とにかく大きく圧倒的な存在感のある本堂。ここまでのものはなかなかないと思います。現存の本堂は文化2年(1805年)の上棟。
右:ここは常時ご開帳していますので、いつ訪れても観音様を間近で拝むことができます。
如意輪観音菩薩坐像  龍蓋池
左:本尊の如意輪観世音菩薩。塑像(土でできた仏像)としては日本最古かつ日本最大で高さ4.85mもあります。寺伝によると弘法大師が日本・中国・インド三国の土を以って造られ、それまで本尊とされてきた金銅如意輪観世音菩薩 半跏思惟像(重要文化財)を胎内に納められ本尊とされました。(写真は公式サイトより)
右:「龍蓋寺」の名前の由来ともなった「龍蓋池」が本堂の前にあります。農民を苦しめていた龍を義淵僧正が、その法力をもってこの池に封じ込めたという言い伝えからきているそうな。
開山堂  桜門
左:本堂西側にある開山堂。阿弥陀三尊を安置しています。多武峰妙楽寺(現、談山神社)より移築されたお堂で、移築の際、桧皮ぶきから瓦葺きに変更されたが、その影響でお堂自体にかなり負担がかかり痛んでいたので、元の形状に戻す為、平成16年(2004年)よりおよそ2年の月日をかけ解体修理を行いました。
右:書院(重要文化財)の前方に建つ入母屋造の楼門で、慶長年間(1596~1615)頃の建立らしいです。奥の書院は修理中なのか、見ることができませんでした。
奥の院へ  お稲荷さん
左:奥の院へ続く石段。鳥居をくぐることになります。
右:石段を上がると稲荷社があります。
弥勒の石窟  十三重石塔
左:稲荷社の右手上に石窟が。中を覗くと奥のほうに仏像があります。
右:奥の院の散策路を歩くと十三重石塔が。間近で見るとかなり高い感じがします。
義淵僧正廟所  境内上から
左:義淵僧正廟所。開祖である義淵僧正は法相宗の祖であり、その門下には東大寺の基を開いた良弁、菩薩と仰がれた行基、その他にもおよそ奈良時代の高僧といわれる人は皆、義淵僧正の教えを受けたといわれています。
右:義淵僧正廟所付近から本堂を見下ろします。狭い境内の中で、本堂の大きさが際立っていますね。
すごく対極な感じのする2つの寺を同じ日に回りました。南法華寺と岡寺、同じ霊場でもここまで違うんだなぁと感じましたね。どちらのお寺もそれぞれに魅力がありますから。