重要文化財「泉布観(せんぷかん)」
大阪造幣局の北側にある、普段は柵で囲われて入ることができない洋風建築。それが、泉布観という大阪府で現存する最古の洋風建築なのです。
「泉布観(せんぷかん)は、大阪市の大川沿いにある大阪府で現存する最古の洋風建築。国の重要文化財。
1871年(明治4年)に造幣寮(現在の造幣局)の応接所として建設された。設計者はトーマス・ウォートルス。完成の翌年に明治天皇が行幸し、貨幣を意味する「泉布」と館を意味する「観」から泉布観と命名。明治天皇自身も3回も訪れ、皇族や外国の要人を数多く迎えた。
1917年(大正6年)には大阪市に移管され、1956年(昭和31年)には国の重要文化財に指定された。1962年~1964年(昭和37年~39年)には保存のために補修工事が施された。
現在は、毎年春分の日前後にのみ一般公開されている。」(Wikipediaより)
年に1回の一般公開(3日間)の情報を見て、これは見逃せないと出かけることにしました。
入館を待つ長蛇の列。建物保護から一度に入館できる人数が30人に制限されているためです。
これだけの洋風建築が、明治極初期にに建てられたことに驚きますね。
左:1階正面扉。丈夫のアーチ窓は建設当初、四角い欄間だったそうです。
右:1階廊下。タイル調の模様があります。
左:1階廊下の照明。ガス灯時代のものを、伝統に変わった現在も使用しています。
右:1階北西室。暖炉周りには輸入品のタイルが貼られていますが、床の市松模様はペンキで描いたもの。当時はタイルが高価だったため、床はペンキにてタイル調にしたそうです。
左:1階南室。一番広い部屋で、食堂として使われていました。今は展示室みたいです。
右:1階南室の大鏡。この鏡は建設当時のもので、引き出しや扉の中にはワインを収納していたと考えられています。
左:1階北東室。でっかいシャンデリアがどーんと。
右:1階北東室の暖炉。鏡とセットなのはなぜなんでしょう? 足元の彫刻はグリフォンの姿をかたどったもの。
左:1階回廊。奥の扉は便所。今回は公開されていませんでした。
右:モダンな階段を上がって2階へ。
左:2階廊下。 右:2階南西室。赤い絨毯がふかふかしてそうです。
左:2階南中室。けっこう狭そうです。 右:2階南東室。
左:2階北西室。特徴的な楕円の鏡のついた暖炉があります。この市松模様もペンキで描かれたもの。
右:2階北東室。玉座の間に当てられた部屋で、天皇陛下が訪問した際には、金屏風で飾り立てたそうです。
2階回廊。建物の外周に巡らされた柱はトスカナ式と呼ばれるもの。
左:泉布観の南隣にあった北異人館の付属建築(作業員室)だったもの。数年前からこの状態で修理もされず、放置されているようです。
右:同じ敷地内にあった旧造幣寮鋳造所正面玄関(旧 ユースアートギャラリー)。
「旧造幣寮鋳造所正面玄関(きゅう ぞうへいりょうちゅうぞうしょ しょうめんげんかん)は、大阪市北区の大川沿いにある、造幣寮(現 造幣局)の金銀貨幣鋳造所の正面玄関を移築保存した建築物。国指定の重要文化財。隣接する泉布観とともに、現存の近代建築としては、日本で最も古いもののひとつ。(Wikipediaより)
以前から気になっていた建物を見学することができて、非常にラッキーでした。なんせ年に1回しか公開していませんからね。
ただ、重要文化財の割には敷地も整備されていないし、周囲の建物は崩壊の一途をたどっているし、肝心の建物そのものも十分な修理を受けていないようです。
出口に建物修理のカンパを集う募金箱を置く位なら、最初から入館料を取ったほうがいいと思います。入館料として300円くらい払っても惜しくないほどの立派な建築ですから。
これだけの建物を後世に残すための努力は惜しまずにして欲しいですね。
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