備中高梁で歴史を巡る旅 その3

2日目の天気予報は曇りのち雨。空はどんより。いつ雨が降り出してもおかしくない。しかし、2日目はこの旅行のメインでもある吹屋ふるさと村を巡ることになっています。空をにらみつつ、雨よ降るなと祈りながら出発することにしました。
今日は、「吹屋ふるさと村観光周遊バス」という1日ツアーバスに乗っての観光。現地ガイドつきで要所を押さえて観光できるうえに、料金に入館料とかも含まれているという、結構お得なツアー。
バス
これが、ツアーバス。道中の雨は心配らないんですけどね・・・(^^ゞ
まずは元仲田邸へ。元仲田邸くらやしきは、江戸時代の庄屋の伝統を受け継ぐ、明治中期の建造物「元仲田邸」の酒蔵を改修し、研修・会食・宿泊施設として平成6年から利用されています。
セミナー等がなければ、建物内部が見られるんですが、あいにく本日は利用ありということで、NGでした。
元仲田001  元仲田002
左:立派な正門。
右:母屋です。手前が研修施設、奥が宿泊施設。右手前が土蔵で資料館になっています。
元仲田003  元仲田004  
左:長屋門はcafeとして利用されています。ギャラリーやライブも行われているとか。
右:土蔵の内部。所狭しと民俗資料が展示されています。
一回泊まってみたいところですねぇ。利用金額見てみると意外と安いし(^.^)
バスに乗り込み、次の目的地、広兼邸へ。
「広兼邸はベンガラの製造で巨万の富を築いた大庄屋で、映画「八ツ墓村」の舞台になり~映画のロケがあったことでも有名です。
城郭のような雄大な石垣と母屋・土蔵3棟・桜門・長屋は、江戸時代の文化10年(1810年)に、離れは大正時代に建設されました。」(WEB上の説明より)
広兼001  広兼002
左:広兼邸全景。まるで城郭と見紛うほど。
右:母屋も大きすぎてフレームには入りきりません。
広兼004  広兼003
左:母屋内部。囲炉裏が懐かしい感じ。
右:離れです。離れは大正の建築で当主の結婚式に一度使われただけという贅沢な使い方をしたそうです。
広兼005  広兼006
左:右手の長屋に下男、下女が住んでいました。厩や種こんにゃく保存室もあります。
右:楼門には不審番部屋がありました。横には門番部屋。中央の小口は厩肥落とし。
邸宅の向かいには明治初期、天広神社が建てられ、広兼個人の神社として祭られていたとか、坊さんも神主さんもはたまた畳職人まで手ぶらで来れば、衣装道具が用意されているとか・・・金持ちってのはすごいなと実感した次第。ねたましいやらうらやましいやら(^.^)
広兼邸の次は、笹畝坑道へ向かいます。この鉱山は笹畝(ささうね)と称し、支山でしたが、後年は地下で本坑道(坂本)と連絡し、黄銅鉱、磁硫鉄鉱(硫化鉄鉱)が産出されていました。閉山後、昭和53年に復元し、坑内を見学できるようにしたものです。
坑道001  坑道002
左:坑道入り口。ドラクエのダンジョンの入り口ではありません(^.^)
右:坑道内。天井が低いところが多いです。管理事務所でヘルメットとレンタルしていますが、迷わずにかぶりましょう。わたしも2回ほど、頭をぶつけました。もしヘルメットがなかったら・・・。
坑道003  坑道露頭004
左:人力でよく掘ったものだと思います。鉱夫たちを苦役として使い、巨万の富を得たわけですね。
右:坑道出口を出て少し階段を上ると、露頭があります。露頭とは露頭、野外において地層・岩石が露出している場所のことで、これを目安にして掘るかどうかの判断に使うとか。
感動しましたが、わたしはこんな悪劣な環境では働きたくありません・・・。ていうか、1日も持たない気がします(^^ゞ
次なる目的地はベンガラ館。
ベンガラの説明は以下のとおりです。
「ベンガラは成羽町吹屋の特産物として全国唯一の生産地であり、陶器、漆器、建造物、船舶等に高級塗料として使用されてきた。
鉱山の捨石から偶然発見された天然弁柄は非常に高級品として名を出し、全国に販路を作っていった。ベンガラには数段階のランクがあり、高級品は陶磁器の模様書き(九谷、伊万里、薩摩等)漆器の下塗(輪島・讃岐等)家具塗装、染料、印肉、船舶錆止め等、非常に広範囲に使われ、古くから貴重品として扱われてきた。
そもそもベンガラの成分は酸化第二鉄を主成分とする無機赤色顔料の一種で人類が使用した最古の顔料といわれている。主原料は緑著(ローハ)といい、銅鉱採掘時銅鉱脈の近くで産出するので「銅近」ともいわれている。」(WEB上の説明より)
このベンガラ館は、1707年の生産開始以来日本唯一のベンガラ産地として繁栄した吹屋にあったベンガラ工場跡を活用して開設されました。
ベンガラ001  ベンガラ002
左:ベンガラ館全景。順路どおりに見ていくと、ベンガラがどのようにして作られているのか知ることが出来るようになっています。
右:原料となる緑礬(ローハ)を焼いて赤褐色の焼キを造るための釜。1~2日、700℃くらいの火力で延々と焼くそうです。
ベンガラ003  ベンガラ004
水洗い碾臼室。焼キを水洗碾臼室に運び、水を加えかき混ぜる方法で粗いものと細かいものにより分けます。 それをより細かくするために水車を動力とした石臼で碾きます。(パンフレット説明より)
この後、脱酸水槽室で酸を抜きます。酸が抜けたものを千板に薄く伸ばし天火乾燥させて製品にします。今このやり方で製造することは環境問題もあって不可能でしょうね。
ここでは、ベンガラで作った手作り携帯ストラップをお土産にもらいました。ちょっと得した気分(^.^)
この段階でお昼過ぎになってました。昼食と観光に吹屋の町並みへ移動します。今回はここまで。次回完結編をお楽しみにねん(^.^)/